オタクは世界を救えない

劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』感想、作画全振りやんけって話をする

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~ (JUMP j BOOKS)

 作画っつうか戦闘シーンの動き全般? がマジですごいよねっていう話。誰が見てもうわあすごいってなると思う。逆にストーリーとかそういうのは飾りみたいなもんなんで玄人ぶりたい人からすると評価はあまり良くないかもしれない。
 まあ俺はそもそも本編も知らない完全初見なんで、まったく期待してないところでこれだったから普通に楽しめたのでそういう感じ。あと佐倉綾音がシコシコでしたね。

概要

 ヒロアカ本編の説明は割愛。というか俺が聞きたいぐらい。あれだろ、なんか主人公が根暗なんだろってことぐらいしか知らなかった。

 で、映画自体はどの辺の話なのかっていうと、本編でいう夏休み中の話。なんとかアイランドでヒーローがめっちゃ集まるイベントが開催され、そこで起こる事件に主人公が巻き込まれる形。サブタイトルが『2人の英雄』になってるだけあって、オールマイト(たぶん本編では師匠ポジであまり戦闘はしない?)が活躍するのでそこが見どころか。
 ゲストキャラとしてシールド親子(父親はオールマイトの旧友で娘はおっぱい)が出てくるが、この二人は研究者ポジなので戦ったりとかはしない。父はストーリーに絡んでくるが見せ場は特にない。娘のメリッサはあらすじやキャラ紹介にも「かつての主人公と同じ“無個性”の少女」と思わせぶりなことを書いてあるが、特別その辺がフィーチャーされるようなストーリーはない。最終戦でも見てるだけなのでガチの無個性になってしまっているのは正直キャラデザが好みだっただけに勿体ない。

 まあストーリーとかは冒頭でも書いてある通りほとんど飾り。尺の大半を占める戦闘シーンはかなりのクオリティで、よく動くし演出も派手だし普通にかっこいい。男の子は基本的に熱い殴り合いが好きなので、そこを重点的に見せるためにあえてストーリーは捻らなかったという見方をしてやってもいいと思う。とにかくエンタメ性を求めるなら見る価値はあるアニメなんじゃないですかね。

 あと来場者特典で配られる冊子にキャラ紹介が書いてあったり、冒頭ではがっつりあらすじを解説してくれたり、かなりの初見仕様で俺みたいなnoobには非常にありがたかった。正直オタクコンテンツのあらすじパートとか尺に無駄だしやめろって思ってたけど、その重要性をこんなところで痛感するとは。
 というかヒロアカ自体が新規受け入れに力を入れている感あるよな。それにまんまと引っ掛かってしまったわけで。とりあえず初見にも見やすい作品ですよって。

戦闘シーン

 カッコイイ!(作画の良さを語るための言葉を持たないオタク)

キャラ

 いっぱい出てきたけど、ここもちゃんと紹介を兼ねて一人ずつ出してきてくれるので結構わかりやすい。それぞれのキャラにもちゃんと見せ場があったのでオールスター感があるの良いところか。代わりにゲストキャラや敵キャラの扱いが雑というか、見せ場にしても設定にしてもどうせ出すんだったらもうちょっと考えてもよかったかもねとは言わざるを得ない。特に敵の設定は本当にただの悪役って感じだし、シールド親子は今作の強みである戦闘シーンにおいてただのカカシなので、結局カッコイイのが既存キャラだけってのが勿体ないね

 ちなみにメリッサというキャラ自体は個人的にも可能性をちょっと感じていて、まあおっぱいがその理由の大半ではあるんだけど一応その話をしたいと思う。
 あらすじなんかでは“無個性”を強調されているこのキャラ。無個性から個性を得た主人公に対し、無個性のままヒーローに関わろうとする彼女を通してヒーロー社会に対する人々の向き合い方を描くというサブテーマがあるのかと思ったらそんなことはない。結局ヒーローとヴィランの殴り合いに終始するこの作品において無個性の立場はかなり薄いということを痛感した。一応シールド親子は研究者という立場から、ヒーローアイテムを作って彼らをサポートするのがメインなんだけど、オールマイトのスーツにしろ主人公のガントレットにしろ耐久力を上げるパッシブアイテムみたいなもんなんで、戦闘シーンで特別それを活用してすごい!ってなるシーンはまあないね。
 特にメリッサが発明した主人公のガントレットは、普段はせいぜい5%しか出せない個性の出力を三回までは100%で扱えるというわりとチート性能を持っているわけだけど、正直捻りがなさすぎる。というかこれ本編に出せばすべてが解決しない? あと三回制限をどこで使っているのかがわからないのでそういう意味でも空気。ラストは使っているとしてあと二発はいったいどこへ? 発明品が単なる耐久力強化の装備になってしまっていることが、結果的にメリッサの無個性化に拍車をかけているんじゃねーかと見ながら思った。

 それからもう一人、佐倉綾音麗日お茶子)が個人的にかなり好き。CVとキャラデザが当然の如く影響してるのは否めないんだけど、明らかに作中でも推されてる扱いで、そういう運営の加護を受けているヒロインがちゃんと可愛いのはいいことだと思う。WIN-WINってやつですね。
 でもこのキャラの触れたものを無重力にするって個性、もっと汎用性高いように思うんだけどあまり使われなかったね。天井のダクトに辿り着く場面とかこれ一つで全部解決してたような気がするけど、細かいところはまあまあまあ……

まとめ

 ストーリーそのものには触れなくてもいいと思うのでまとめます。お世辞にもお話自体の出来は良くないので期待するのはナシだけど、まあ良く言えば王道なのでわざわざ批判するのも違うかなとは思う。

 タイトルにもある通り、作画全振りエンタメ性重視の作品なので、注文の多いオタクにはあまりおススメできないかもしれない。逆に一般層にはわかりやすくてウケるかもしれない。でもたぶん見てるのはオタクばっかりなんでしょ、俺にはわかる。

 あとお茶子ね。俺はお茶子のためだけに本編を見ようと思ってdアニメストアに加入した。本当に見るかはわからないけどそういう感じ。