オタクは世界を救えない

俺がイチからCharlotteの話をするから誰か聞いてほしい~第十二話~

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十二話です。最終回前の準備回(今更?)こと十二話。始まります。

あなたのお兄さんにとって、熊耳は一番の親友だったということよ

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 し、死んでる……

 実をいうと今作で唯一の最後まで死んだままのキャラ。麻枝といったら人が死んで泣ける話ってイメージだけど、いつもはヒロインが死ぬのでこういう大したことないキャラが死ぬのは珍しいんじゃないでしょうか。

 あれだよね、麻枝のシナリオってそもそも人が死ぬことを中心に回っている話なんですよね基本。でもCharlotteでいうその役割って妹が六話でこなしてしまったので、いつもの麻枝とはその時点で構成が違う。
 熊耳はそもそも主人公にとって大切な人物でもないし、ぶっちゃけその辺の感動は一切ない。とってつけたようにお兄さんの親友だったとかいうアピールをされるけど、別にそれって主人公的にはどっちでもいいですよね。むしろ自分のせいで関係ないやつが死んでしまったという責任感? あーでもそういう意味なら、自分のためにしか能力を使っていなかった主人公に責任が芽生えて成長~~みたいな捉え方もできるんですか?

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 お前の青春は飯食うしかないのか?
 というのは置いといて、このキャラが一人ずつ出てきて会話をして~っていう流れ、非常にエロゲ的ですよね。それが悪いかどうかはともかく、アニメでやると取って付けた会話シーンになるんですよ。しかも柚咲のシーンなんてキャラも取って付けた上に会話内容も取って付けてるからなんていうか、「ここで設定説明しますよ~キャラの関係性描写しますよ~」って言われてる感じがしてすごい微妙。

だったら……今のうちに大切な人に会いにいくべきなんじゃないか?

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 なんで?

平凡すぎてコンビニでも食えるレベル。でも……両親の愛、その隠し味で絶品な料理になっている。だからここまで美味しい……すごく、美味しいです……ごちそう、さまでした。

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 なんだこれ。

 今作でもっとも不要だったシーンとして名高いシーン。泣き展開に入るのが唐突すぎてどうしようもない。柚咲というキャラがなんで存在してるのかわからないとは何度も言ってるけど、なんでいるのかわからない上に尺も取ってくのがこいつのいやしいところ。

 しかもこれ、内容も結構お粗末。蕎麦食って「美味い! これが愛情か……」つって全員泣く。でもこれは仕方ない。なんのバックグラウンドもなく人気のないキャラクターを使って10秒でお涙頂戴作ってくれって言われたらこれが出るのはむしろ当然。悪いのはこんなストーリーを考えたシリーズ構成の人間でしょう。まあどっちにしろ麻枝なんだけど。

 あと気になったのは、お涙頂戴TVをやってる柚咲の映像を見てる主人公が合いの手よろしく「実家は蕎麦屋だったのか……」「こんな食レポで大丈夫なのか!?」「思いを伝えられてよかったな……」みたいにモノローグで実況してるところ。マジでこのアニメ、主人公のダサいモノローグが多いんだよな。たぶんエロゲの地の文で軽いツッコミを入れるときぐらいのノリで差し込んでるんだろうけど、言いたいことがあるならきちんと声に出した方がいいと思う。

あなたが今現存する能力者の力をすべて奪えば終わります

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 抜け殻になって役に立たないお兄さんの代わりに策を提案する友利。デカい組織だって言われてるのに研究者とか幹部とかが全然出てこないし友利如きの策にすべてを賭けるぐらいなのがなんかおままごと感増してますよ。

 ちなみにここで友利に告白するんですけど、インタビューとか曰くここで友利から由宇くんに対する恋愛的な好意はゼロらしいんですよね。つまり由宇くんは女の子に好かれるために世界を救うことになるわけです。
 だからなんだって感じだけどわりと重要なところでこの主人公が世界を救う動機ってのは、結局のところ自らを犠牲にしてでも他者を犠牲にするだとかすべてを捧げてでも世界を守るとかそういうのじゃないんですよね。あくまでも楽しかった青春を取り戻したりとか、女の子に好かれたいとか、そういうものなんですね。
 Charlotteのテーマでわりと一貫してるのは、クズだった主人公の成長ですね。でもこれは聖人に成長するっていうんじゃなくて、普通の高校生の延長として成長するのが良いところ。麻枝ってなんだかんだでボーイミーツガールの人だし、基本的に弱い主人公が辛い状況におかれて成長する、精神的に強くなる、ってのをやるわけで、だからCharlotteも話のスケールはデカいけどやってることは女の子のために努力できるようになる主人公の話なんですね。
 最初は主人公って能力をカンニングとかに使って白柳さんと付き合うわけですね。その程度の小物だった主人公が、色々あってもっとカッコイイ能力の使い方をして好きな女の子に告白する。

 だから能力バトル要素とか、組織! テロリスト! みたいなのはおまけなんですよね。エンタメ要素でしかなくて、テーマ的な話をすると本当にこれは由宇くんと友利の話なんですよ。だからタイムリープとか乙坂隼翼とかで中途半端な能力モノこねくりまわしてるよりももっと有意義な尺の使い方があったと俺は思うね。

単語帳

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 はいきました。Charlotteにおける最重要アイテムこと単語帳さんです。

 最終回の主人公にとって心の支えとなり、主題歌でも様々な比喩を用いられながら説明されたキーアイテム。ヒロインから主人公へ託され、ヘタレで諦めっぽい主人公が最後まで手離すことのなかった意志の強さの象徴のような存在。それが単語帳です。

 それがなぜ、こんな終盤に!?

 いやね、普通こういうアイテムって序盤から出てきて思い入れのあるものが選ばれるはずなんですよ。少なくとも、こんな終盤でぽっと出の単語帳がそこまで重要な位置を占めることはだいぶおかしいと思う。女の子から貰ったものならなんでもいいわけ? だったら斎藤回で友利から貰ったiPodとかでもよかったんじゃね?

 ……ていう話は前にしたので、もうそんなに語ることはないんだけど。

yossioo.hatenablog.com

 

まとめ

準備回とか言ったけど、よく考えたら主人公が決意する見せ場(?)もある回だった。本当は今までヘタレてた主人公がここで一念発起して、っていう決意の回だったんだろうと思う。印象としてはシナリオに振り回されて海外送りになったって感じなんだけどなあ。