オタクは世界を救えない

CRカップがマツコ会議に取り上げられたらしいので話をする

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 元々好きだった配信者が出てることもあって最近よく見てたApexのコミュニティ大会、『CRカップ』がなんかテレビのマツコ会議にちょろっと出たらしく、せっかくなのでこの機会にCRカップのことでも話そうかと思う。
 ちなみに今現在は大会当日の午後。あと数時間で本番が始まるので、たぶんこの記事を大会前に見る人間はほとんどいないと思う。

CRカップって何?

 みなさんご存知の大人気FPS、『Apex Legends』のコミュニティ大会(要するにガチガチのプロの大会ではないということ)。主催はプロチームの『Crazy Raccoon』で、Crazy Raccoon Cupを略してCRカップという感じ。↓が公式で、今回は第四回目の大会。

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 参加者は主催側の選ぶ20人のチームリーダーが、各々で参加条件に見合ったメンバーを勧誘してチームを組むという招待性みたいな形。基本はCR所属のプロ選手や有名配信者がリーダーに選ばれていて、Apexメインの配信者はもちろん、別のFPSで有名な人やなんならFPS畑じゃない人もたくさん参加しているのが特徴。
 特に第一回からVtuber(主ににじさんじ)の参加者が多くてその辺のファンをかき集めている印象が強いけど、回を重ねるごとにその幅も広くなっていって今では漫画家や歌手まで参加するなど、知名度の高いやつなら誰でも参加できるような節操の無さがある。

 そしてCRカップの一番の特徴といえば、チームのポイント制
 参加者にはそれぞれ実力に応じたポイントが割り振られていて、チームの合計ポイントを一定以内に収めないといけないという縛りがある。たとえばチームリーダーがプレデターでもう一人にマスターを誘ったら、残りの一人は少ないポイントのプラチナ帯の人を入れなきゃいけないなど。
 詳しいルールは結構長いから割愛するけど、要するにこのルールのおかげで様々な実力の参加者がいて、ただ単に実力を競うだけじゃなくて、チームごとに誰がキャリー枠だとか、バランスがいいだとか悪いだとか、ランク低いけど連携で貢献してるだとか、そういう個性みたいなのが生まれるのが見どころだと思う。

 また実力はあるのに低いランクで参加してる人に対して「ポイント詐欺だろこいつ死ねよ!」みたいなコメントで荒れるのも盛り上がる要素の一つ。あとキャリー枠の人の配信が低ランクの女Vtuberへの文句で荒れるのも醍醐味だし、「お祭り大会なんだからそういう批判はやめてほしい。俺への文句は良いけど頑張ってる味方に対して冷たいことは言わないでくれ」とか言ってる切り抜きが上がってコメントで「〇〇さん強いし優しいし聖人かよ……本番ではチーム〇〇絶対に応援します!」って書かれるのもお約束。ついでにどこのチームの配信を見に行っても「ここのチームの雰囲気が一番盛り上がってる!」なんて文化祭のときの女子高生みたいなこと言ってる奴が必ずいるのもすごく熱い。

何が面白いんや?

 ぶっちゃけ好きな配信者やVtuberが出てるから面白いって人間がほとんどだと思う。

 まあこれに尽きるね。そもそもCRカップの配信は本番当日だけではなく、本番前の一週間にあるスクリム(eスポーツでいう練習試合みたいなもの)も含まれる。スクリムは公式配信がなくて参加者の個人配信で観戦することになるんだけど、だいたいの視聴者は個人推しで見に来てるので進んで個人配信を見るし、なんなら本番も公式の全体実況より個人配信を優先してみるのがほとんどだろうから、普段の配信を見てる人間がその延長で観戦する感じになるだろうなあって感じ。
 だから正直なところ、CRカップは人に勧めにくい。参加者の配信を普段から見てる人は既に見てるだろうし、逆に配信を普段まったく見てない人はいまいち醍醐味を味わえないと思う。ガチの大会だったらプロのやつを見ればいいしね。なので俺もこの記事を書いて「これは誰向けに書いてるんだ……?」ってなってる。
 でもまあ、ちょっとでも知ってる人が参加しててそれをきっかけに見始めたらハマっちゃう、みたいなのはあるかもしれない。それに結構その界隈では有名な人間とかが出てるので、キルログに有名人の名前がずらっと並んだりするのを見るのは、馴染みのない競技大会よりも面白い点だとは思う。もし興味があったら、youtubeに個人全体問わず切り抜きが大量に上がってるからつまみ食いしてみてもいいかもしれない。

 で、具体的になにが面白いかというと、これも今更なんだけど、ぶっちゃけスクリムから通して本番を見るのが一番面白い
 この大会、普段からチームを組んでたりとか競技シーンでやってるってわけじゃない、なんなら初対面の素人とチームを組んだりするのもザラなので、練習を通してチームが馴染んでいく過程ってのがある。youtuber的に言うと、一週間強の長期間コラボみたいなもんなんだよな。だからそのコラボの過程でチームの練度が上がっていって、その集大成として本番がある、みたいな感覚が面白い。

 Apex的な面白さでいうと、たとえば一番の例がランドマーク争い。バトロワの大会だとプロでもそうなんだけど、大会で初動被りってのはほとんどない。なぜなら初動で雑魚死したくないから。なので初動、どのチームがどこに降りるのかっては暗黙の了解で固定になるんだけど、その初動で降りる場所(ランドマーク)を決める役割を、本番前のスクリムが担ってるんですね。
 毎回スクリムの序盤では縄張り争いが如くランドマーク争いが繰り広げられ、初動ファイトで勝てたチームがそのランドマークを取り、負け越したチームは過疎地に追いやられるというのがCRカップの風物詩。そしてその後のスクリムを通して、ランドマークを取ってからのムーブや連携を練習していく流れがあるので、もはや戦いは試合前から始まってる状態。これを一週間かけて酒を飲みながら見るのが一番面白い。

ストーリー性がある

 ドラマが生まれる、という書き方と迷ったけどストーリーテリングに興味のあるオタクなのでこっちにした。

 やっぱね、単に実力だけで選ばれたメンバーではなく、エンタメ性なども込み込みのチームになるわけなので、本番までには色々な変化や成長、事件やコメントの荒れ具合などがあるわけですね。
 わかりやすい例だと、前回大会の釈迦チーム。ここはプレデター二人のチームにシルバーの女性が入っているという典型的な「一番下のランクの人が頑張らないといけない」構成だった。
 実はApexはチームゲームなので、突出した一人が強いことよりも、チームの平均値が高くて全員がちゃんと仕事をできることの方が重要なんですね。だからCRカップをスクリムから通して見てると、プレデターマスタープラチナの三人よりも、プレデターダイヤダイヤの三人とかの方がバランス取れてて強かったり、あとプラチナ枠の人が別のFPS経験者でチームゲームに慣れてたりとかで、とにかく底上げの出来ている構成のチームが強い印象。
 そんな中でスクリムだと一度もチャンピオンを取れていなかった釈迦チーム。さすがに本番も厳しい感じ……だったのが、本番だと上手く連携してシルバーの女性も食らいついて、世界最強のレイスと名高いRasを倒してチャンピオンを取ったりした。これはかなりわかりやすく熱い展開で、たぶんスクリムを通して見てたリスナーは本番でかなり驚いた人間が多いんじゃないかと思う。

 ちなみに俺はデトネーターのファンボーイで、特に今回はスパイギアSPYGEA - YouTube)のチームをめちゃくちゃに推してるんだけど、このチームも似たようなところがある。にじさんじのアルス・アルマル(プラチナ)、同じくにじさんじのエクス・アルビオ(ダイヤ)、そしてプロゲーミングチームデトネーターのストリーマー部門SPYGEA(マスター)の三人は、ポイント的にはかなり他のチームに劣る。
 そもそもなんでこのメンツで組むことになったのか謎だが、下馬評通りにスクリムでは初動落ちを連発、なんだったらCRのプロたちに囲まれて実力以上にボコボコにされていたが、数日かけてランドマークを探し求め、終盤まで残ることの少ない中でムーブを洗練させ、スクリム最終日では見事にチャンピオン(すごい!)を取ったりするエンタメ性の塊を披露している。
 まあありきたりだけど、こういうのは感動するなあと思いますね。キャリーされる枠の人が練習配信とかやってて「〇〇さんめっちゃ上の人についていこうとして練習してる、頑張ってるなぁ」みたいなコメントが流れるのはちょっとくせえなと思うこともあるけど、そういうのは普通のプロシーンでは見られないエンターテイメントで良いと思う。なので本番も頑張ってほしいですね。

 

まとめ

 なんなら俺がCRカップに出たい。