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『ゲキドル』感想、令和のエヴァンゲリオンもといヤバすぎるアニメの話をする

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  『ゲキドル』見てたか? 俺は今更見た。やべえアニメだったのでその話をしたい。

構成がヤバい

 まずこれ。構成というかもうジャンルがぐちゃぐちゃで草って感じ。せっかくなんで話数ごとに自分なりのパート分けをしておきたい。

1~3話 あいり(ジュニアアイドル)編
4~6話 せりあ(ありす)編
7~9話 かをる(SMT暗躍)編
10~12話 人類補完計画

 という感じでゲキドルはいくつかのパートに分かれてやってるわけなんだけど、このパートごとの話がかなり雰囲気違う。特に後半がヤバい。何が主題なのか、どこが目的地なのか、それらを俺たちが把握することは難しく、あげくに『ゲキドル』という概念が途中で忘れ去られてしまうぐらいには意味不明なストーリー構成がそこに待ち受けている。
 あ、ちなみに解説とか考察はしないので気になる人は他の人の記事でも見てください。

 序盤のあいり編では、主人公がアリスインシアターの一員になりつつ、あいりが元ジュニアアイドルというセクシャルな設定を出してきてわちゃわちゃし始める。まあ世界同時都市消失とかいうサードインパクトみたいな世界観設定をちょろちょろ仄めかしてはいるものの、ここまではまだ『ゲキドル』という要素を中心とした話になっている。

 その後のせりあ編から話は混迷を極めていく。サードインパクトで家族を失ったせりあが過去に抱えるトラウマを、舞台装置のドール(命名・アリス)で癒してみたりする。ちょっと前まではせいぜいダーク感がたまに出る青春モノみたいな顔をしてたのに、ドールの不気味感から漂うホラーっぽさ、そもそもサードインパクトのSF感、そして細かい設定がロクに説明されないまま話が進むクソアニメ感が俺たちを襲う。
 あと主人公メインの話を4~7話に持ってくるの珍しい。普通は最初か最後じゃない? なんなん、モブなん?
 というか世界同時都市消失の設定、俺この時点でほとんど理解してなくてウィキペディア見てちゃんと知ったんだよな。これちゃんとした説明って作中でされてた? なんだったらこの時点でゲキドルがかなりの要素を俺たちに投げつけまくってきてる感がある。

 かをる編、というかSMTの竹崎暗躍編、およびいずみ右往左往編が始まると、物語の真相に近づく話が増えてくる。その結果ゲキドルという要素はメインストーリーから外れていき、せっかく序盤で深掘りしていったせりあやあいりはなんかその辺で勝手に踊ってるだけみたいな扱いになってくる。その割に本筋と関係ないアリスインシアター仲間の掘り下げが始まったりするのもなんかヤバい。かをると竹崎が変なことやってたりするのにアリスインの奴らとかいずみは全然関係ないとこで頑張ってるのが滑稽。ドールとかも結局よくわかんないまま目光らせてたりするしいったい俺は何を見せられているのか。

 そして終盤。俺はこのパートを人類補完計画編と名付けたい。
 シアステを使って世界を一つの劇場に閉じ込めちゃおう! っていう趣旨と、結果的にそれを止めるか否かが主人公に掛かってくる辺りとかめっちゃエヴァを彷彿とさせる。シンジくんと違ってせりあは補完計画のことなんて全然知らないで演劇してるだけではあるけど。
 ちなみに俺はテレビ版や旧劇のエヴァの終わり方がそこまで嫌いじゃない。そう、結局重要なのは〝どうやって〟補完計画を止めるかとかじゃなくて、補完計画を〝止めたいと思う〟メンタリズムなんだよな。だから世界が大変なことになってたり、大人がいろんなことを画策してたりするけど、主人公たちにとっては内面的な話の方が重要で、だから物理的なストーリーが投げっぱなしみたいになっててもそれはそれでいいと思う。
 いいと思うけど、やっぱり本筋では世界がヤバい! ってなってるのに主人公が全然その辺理解してないのが笑っちゃう。ついでに言うと見てる側も急展開すぎて置いてけぼりにされてる。そんでそこまでストーリーからほったらかしにされてるのに最終局面で世界の命運を左右してるのとかめちゃくちゃ過ぎてセカイ系の本質を感じた。

キャラクターがヤバい

 結局のところ、最終的なストーリーに関わってくるのはかをると竹崎とドール(と、みのさん)ぐらいだったってのがヤバい。いろいろとごちゃごちゃしてるけど終盤でいきなりセカイ系なんだかSFなんだかわからない展開をしたせいで、それ以前のキャラたちがただの変な人たちで終わってるのがヤバい。あいりがメンヘラみたいなことしてるのも、せりあがトラウマを克服したんだかしてないんだかわかんないのも、いずみが強キャラ風に出てきた割に何の重要性もないキャラだったのとかも、もう全部勝手にごちゃごちゃしてただけっていう。

 個人的にはせりあが世界同時都市消失の鍵を握ってたりするもんだと思ってたし、いずみも本筋に関わる理由で敵サイドに寝返ったりしてた重要キャラだと思ってたのだけど、そんなことは全然ない

 あとツンデレツインテこと樋口真琴が結構な頻度で出てきて可愛いなこいつと思ってたら本当に可愛い以外の役割を持ってなくて草。

 これが他のアニメだったら尺の無駄遣いだとか何をしたいのか結局わからんみたいな感想になるんだろうけど、そうならないのがゲキドルのすごいところ。だって確実に何かをしようとしてるというのが伝わってくるから。唐突にキス魔のあいりですらそこに何かの意図を感じずにはいられない。最後まで見終わったとき、急なセカイ系の本筋とそこに関わりのない大勢のキャラクターを見て俺は思った。ゆうてこれもう一周回って萌えアニメなんじゃね?

OPがヤバい

 そういや忘れてたけどOPがマジでヤバいんだよな。明るい曲調に対して何故か白黒の背景、がっこうぐらしかな? でもホラー的な雰囲気とか萌えアニメかと思わせたら実は……みたいなのもあんまり意識してなさそう。そもそもこれが何アニメなのか未だにわからないしな。

 途中から曲が変わってるのに映像が変わってなくて全然合ってないのもヤバい。なんでそんなことするの? もう意図が全然わからなすぎてヤバい。

終わりよければすべてよし(最終回サブタイトル)

 投げつけEND全肯定マンだ!

 まあ、実際よかったとは思うけど、どうよかったのか言葉にするのは難しい……

 でも一応考察サイトとか見るとちゃんと話の筋自体は通ってるし、エヴァほど投げっぱなしではないことがわかる。投げっぱなしというより、無闇やたらに投げつけてきてる感はあるけど。
 そんでこういう話の作り自体は俺は結構好きなんだよな。主人公の成長とか選択とかメンタル的な話が好きな俺は、ごちゃごちゃと話を振り回しつつも最終的にはせりあの「なんで分かりあおうとしないの!?」→ビンタ→「私たちはきっとわかりあえる」で解決するゴリラムーブとかめっちゃ好き。シンジくんが何十年とかけて解決した問題を三ヶ月で蹴散らす女ヤバい。

まとめ

 たぶんキービジュアルの絵がすげえもっさりしてるから単純に見てる人が少ない。本編の女は結構可愛いのにどうして……関谷あさみパワーが足りないのか……

 まあわりと面白いです。カオスな展開を繰り広げるヤバいアニメとしても、女の子が可愛い萌えアニメとしても、令和のエヴァンゲリオン枠としても、レズアニメとしても。1クールでここまで詰め込んだのは中々珍しい。詰め込もうとして失敗したとかじゃなくて詰め込んだ結果ごちゃごちゃになったけど一応詰め込みきれてる(?)のもまた珍しい。