オタクは世界を救えない

『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト』感想、なにも理解してないけど語らせて欲しい

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 はっきり言ってなにもわからなかった。でもわかったところもあった。あと面白かった。ろくな考察も的を得た感想も言えないけどこの面白さをレビューしたい。

舞台少女は次の舞台へ

 まあこの辺がメインテーマですよね。ぶっちゃけ途中のわちゃわちゃしてるとことかトマトとかキリンの言ってることとかは全然よくわかんなかったんだけど、最後らへんの華恋とひかりちゃん絡みのこれは俺好みのテーマで好きだった。

 そもそも、レヴュースタァライトはTV版で一度は完結している作品。それは登場人物たちにとっても同じで、例のオーディションを終えていい感じに舞台は幕を閉じたはずだった。でもその後に出てくる問いとして、『じゃあ次はどうするの?』というのがこの劇場版。「列車は必ず次の駅へ、では舞台は? あなたたちは?」と何度も問われる通り、TV版という舞台を終えた舞台少女たちがその人生において次にどうするのか、それを学校の卒業という現実的な要素に絡めて描いていくのが劇場版の主なテーマなんだと思う。

 ちなみに今ようやく気付いたけど、「列車は必ず次の駅へ」って、人生というレールに乗った列車(=人間)は必ず次の進路へ進む、じゃああなたはどうするの? っていう意味でいいんですかね。

 いやでもこれよかったね。TV版で散々ポジションゼロを追求して、何度でも自分を再生産してひかりちゃんとスタァライトした華恋が、その輝かしい舞台を終えた後に自分の進路を見失う。要するに一つの舞台に執着するだけだった華恋が、劇場版を通じて新しいポジションゼロに辿り着く。ひかりちゃんありきではなく一人の舞台少女として、何度でも新しい舞台に登る。

 ポジションゼロは舞台少女の原点で、華恋はひかりちゃんとの熱い思い出があるから何度でも自分を再生産してポジションゼロに帰ってくることができた。それがTV版。
 でも今作はその上を行って、華恋が新しいポジションゼロに挑むお話なんだと思う。思い出を大切にするだけじゃなくて燃料にして、なんかわけわからん列車だか汽車だかをぶっ放して、愛城華恋が舞台少女として前に進み続けるようになるお話。一つの舞台が終わっても、学校を卒業しても、ひかりちゃんと違う進路になっても、華恋が舞台少女であることには変わりないっていう話。

バナナかっこよすぎ説

 ただ単にバナナの戦闘シーンがかっこいいよねってだけの話。

 序盤にいきなり列車がトランスフォームしてバナナが登場したと思ったらワイルドスクリーンバロックとかわけのわかんねーこと言いながら舞台少女を皆殺しにするシーンとか無双感ヤバかった。意味わかんなかったけどなんかやべーのは伝わってきた。あと純那を倒すときのあっさり感とかすごい。だからこそ純那が後々に歯向かうときの「殺してみせろよ、大場なな!」が映える。純那、冒頭のシーンでは自分に自信がないから舞台は一旦休んで大学行くわとかいう日和ったチキンっぷりを見せてたのに、最後は皆殺し犯とタイマン張るレベルでキメてきてるのオタクに好かれるタイプのオタクって感じがする。そんで相変わらずそこまでやってるバナナの願いが単にみんなともっと同じ舞台を続けていたいってだけなのも可愛い。

ファンムービーとしての要素は強め

 まあこれはすごく感じた。特に途中の二人組でわけわからん舞台で戦うシーンを人数分やったところとか、めちゃくちゃふざけてて面白かったけどストーリー的には削れただろうし、なんかTV版でもやってたような葛藤を焼き増ししてる感は否めなかった。途中で脚本やってる生徒(TV版で出てたかどうかすら覚えてない)にフォーカス当たって一パート使ってたのも、そんなキャラに尺割いて大丈夫なんかとは思ってた。総じてレヴュースタァライトという作品を好きな人は一層楽しめるけど、そうでもない人からすると「実は大して中身なくね?」とはなったりするのかもしれない。俺はレヴュースタァライト好きだけど、アプリとか追ってるわけでもなければキャラも華恋ひかりバナナを重点的に好きなだけで百合にもそんな興味はないので、実を言うと途中の展開はかなりダレてた。

まとめ

 華恋列車がブーストしながら東京タワーに突っ込むところが一番好きです。