オタクは世界を救えない

「オタク」になりたい若者たちと倍速視聴と俺がオタクである話をしよう

gendai.ismedia.jp

 

 ツイッターでも話題になった上の記事を読んだので、オタクらしくオタク語りでもしていきたいと思う。

記事を要約すると

 簡単にまとめると、

・最近の若者はSNS等の普及により、以前よりも流行の話題に乗る重要性が増している

・「個性的な人間」になるため、アニメを見るだけでなれる「オタク」に憧れる

・「オタク」になるという目的を果たす手段としてアニメを見ている

 という感じ。

コミュニケーションツールとしてのアニメ

 別にそういう見方があってもいいんじゃないか、とは思う。

 若者が流行に乗りたいのは昔から同じ。「昨日あの番組見た?」という話題に付いて行くためバラエティ番組を見るのと本質的には変わらない。まあこれはそうだろうと思う。ツイッターで話題だからこのアニメ見ておこうとか、友達がこれの話ばっかりするからせめてキャラの名前ぐらい覚えとこうとしてアニメを見るとか、いわゆるコミュニケーションツールとしてアニメが機能することは少なくない。

 そういうわけで個人的には、話題に乗るためのアニメ視聴は全然ありだと思っている。というかアニメぐらい好きに見ればいい。アニメがコミュニケーションツールとしての役割を果たすこともある、ただそれだけの話なので。

個性的なオタク is 何

 個性を求めてオタクに憧れる。まあこれもよくある話だなと思う。現代の若者が自分のパーソナリティとして何かしらの属性を求めるのは珍しいことじゃない。特に俺がよく見るネット上のオタクだと、やたら自分の変態エピソードを披露したがるツイッタラーとか、事あるごとに推しコンテンツを主張する自称マイナーオタクとか、なにかと「俺〇〇だからさ~」と聞いてもいないキャラ付けを始める陰キャなどが該当する。

 そういうわけだから、自分の個性として「アニメオタク」という属性が求められること自体はそれほど特殊な状況ではない。そういう人もいるんだなあぐらいの感覚で俺は考えている。

 ただ、そういう人間が、表面上だけマニアックぶってドヤ顔で語ってきたり、大声で自己アピールしてきたりするとウザいってのはもちろんわかる。得てしてそういう人間は浅い知識や情熱しか持っていないので、たしかに人生をオタクに捧げた真のオタクたちからするとなんだテメエと思ってしまうのは仕方のないこと。

 でも考えてほしい。世の中にはいろんな人間がいる。深い人間もいれば浅い人間もいるし、中には気に食わない奴もウザい奴も臭い奴もいるだろう。
 俺は大学生のときに散々見てきた。自分の属するコミュニティにそういうのが入ってきたら嫌な気分になった。だから目の前にそいつらが来たらたぶんムカつくと思う。
 かといって、なんの繋がりもないネットで見かけただけの人間に文句を付けるのはさすがに攻撃的すぎるだろうと思う。わざわざ他人の活動を覗きに行って「うわコイツあっさ!」なんて言うのは単に性格が悪い人間がやることなので、オタクとかどうとかそれ以前の問題になってしまう。

倍速視聴は悪なのか?

 ここまでの話を読んでたらわかると思うけど、俺はどっちでもいい派。アニメなんて無料なんだし見てる分には誰にも迷惑かからないんだから好きにしろと思う。たしかに倍速視聴だとかあらすじまとめみたいな浅い視聴体験でドヤ顔アニメ知識豊富ですオタクの顔をされたらびっくりするだろうけど、そういうのはたぶんそいつが臭いオタクなだけだからそっと離れるかブロックでもすればいいんじゃないですかね。

 友人との話題についていくため、ストーリーだけおさらいする感覚で倍速視聴する。それはもうそういうスタイルの人間もいるってだけの話であって、別にオタクとしての質でバトルする必要なんてどこにもない。

 だからツイッターでちょくちょく見る、「オタクたるものこういうアニメの見方をするべきだ!」というような強い論調には首を傾げてしまう。ましてやオタクの定義論なんて始めようものなら令和が終わる。世の中にはいろんなアニメがある。そしていろんなオタクがいる。それだけの話だろう。