オタクは世界を救えない

『ラブライブ!スーパースター!!』一話感想、予備知識ゼロのμ'sオタクが見た結果

【電子版】電撃G's magazine 2021年8月号増刊 LoveLive!Days ラブライブ!総合マガジン Vol.17 [雑誌] 【電子版】電撃G's magazine増刊 ラブライブ!総合マガジン (電撃G’s magazine増刊)

 俺はかつてラブライバーだった。でもそれは昔の話だ。今となってはアニメを追うだけの老害。スーパースターの略し方もわからない。対戦よろしくお願いします。

はじめに

 俺は昔にこんな記事を書いたぐらいなので、基本的には初代ありきでその後のラブライブを語っている節がある。特にサンシャインはやたらと初代を踏襲したストーリーだったので、その差異を意識しながら見ることが多かった。ニジガクは逆にソロ×9人という新たな試みをやって新鮮ではあった。スーパースターはどうだろう。俺はあくまでもμ'sオタクでしかなくてその後のラブライブには疎い人間なので、その辺の視点でこのアニメについて語っていきたいと思う。

廃校もしないし9人もいない

 初代とサ!においての共通点はいくつかあるが、ストーリー的に大きなものはまず「廃校問題」があるということ。スクールアイドルなだけに学校の問題がメインになってるんですね。これは明確なストーリーラインを形成する上でも役に立っていたと思うんだけど、今作にはそれがない。

 それから人数が9人→5人になってますね。ラブライブ!といえば原案である公野櫻子が十数人の妹を扱う話や二十数人の姉妹を扱う話を得意としていたこともあり、9人のアイドルをメインとした人数多めのヒロインによる設定がウリの一つだったわけだけど、今回は半分近くの5人まで減っていると。

 他にも今までとの差別化点は探せばあるだろうけど、最初に目についたのはここだった。
 これ、俺が何を言いたいかっていうと、今作は新鮮味のあるストーリーを期待できそうということ。ぶっちゃけサンシャインは初代を繰り返していただけに見えたから、そういう意味でもスーパースターには新しい風を吹かせてもらいたい。舞台となっている学校も新設校で主人公たちが一期生らしいので、その辺は制作側も意識していると思う。

 それと、この二つの要素によって、他のストーリーやキャラの掘り下げが深まりそうという期待もある。廃校問題がないってことは主人公たちがスクールアイドルをやる他の動機が必要になるし、人数が少ないってことは一人一人のキャラにフォーカスを当てやすくなるということでもある。
 既に一話では主人公であるかのんの「歌が歌えない」コンプレックスにフォーカスしているし、5人だったらお当番制をやってもだいぶ話に余裕がある。ストーリーと上手く絡ませつつ5人をちゃんと掘り下げてやってくれれば、人数増やしがちな昨今のアイドルアニメ事情に一石を投じる存在にもなれるやもしれない。

思ってたよりキャラが可愛い

 かつてこんなことを喋っているオタクがいたので晒しておこう。

  まあ俺なんだけど。

 ぶっちゃけアニメ見るまではスーパースターのキャラデザ微妙wwwとか思ってたんだけど、わりとアニメ絵になって良い具合になったと思う。特筆したいのは可可(クゥクゥ)と千砂都。なんか髪の毛にピンクのハイライトが入ってる中国人とふざけた白い奴が一捻りあってキャラ的にも可愛い。

 まず、可可のことを話すと、とりあえず本場の中国人が声優をやってるだけあって中国語が可愛い。そして今までだと主人公枠が担っていたゴリ押しスクールアイドル勧誘係をやってるだけあってお話的にも重要な立場なのが強い。まったく新しい土地でまったく新しいことを始める彼女が今作のキャッチコピーである『はじまれ!新しい「私」――。』を体現する存在であることは言うまでもない。

 それから千砂都について。ういっすって感じ。一話だとそんなに喋ってないけど常識人枠っぽいのに割と軽いのが好き。白髪でお団子付けてるキャラって珍しくない? ラブライブだと割と恒例の主人公の幼馴染枠でもあるけど、変にベタベタしてない感じなのもなんかいい。

 それから主人公のかのんについて。未だに見た目はそこまで好きじゃないけど、やっぱ特筆すべきはその性格。主人公だと今まで穂乃果や千歌はイケイケ系だったし、侑もイケメン枠だったので、やさぐれてるコンプレックス持ちってだけでも新鮮。その割にウジウジしてるわけじゃなくて、「バーカ、歌えたら苦労しないっつーの」という台詞でもわかるとおり結構トゲがある感じなのも好感が持てる。マジでやさぐれ系。やっぱキャラは少しぐらい毒があった方がいいよね。
 ただ一話でそのコンプレックスが解消されてしまったのはちょっともったいないかなとは思う。出来ればもっと引っ張って欲しかった。まあまだ完全に歌えるようになったのかはわからないけど……

 他で言うと葉月なんだけど、これはちょっと歴代の生徒会長ポジションと同じ、スクールアイドルに反対するけど本当はスクールアイドルをやりたかったの!キャラだったら嫌だなあと思って見てる。というか生徒会長と敵対する流れ自体がもう食傷なのでその辺はどうにかしてくれたらちょっと嬉しい。

はじまれ!新しい「私」――。

 終わってる古いオタクである俺にとって、ラブライブといえばやっぱり煮え切らない少女たちがスクールアイドルになって己のパッションを曝け出す物語であって欲しい。別に全国大会とかデカい話じゃなくてもいい。

 HPを見てみると、「私を叶える物語」とも書いてある。どっちのキャッチコピーにも「私」が入っている。「みんな」で叶える物語だった頃に比べて個人にフォーカスしていることがわかる。是非その調子で個々人の話を展開してほしい。学校が廃校になるわけでもない、地元を背負っているわけでもない、伝説のグループに憧れたわけでもない。彼女たちには自分にとっての新しいスクールアイドル像を見つけてほしい。受け継ぐのは白い羽だけで十分だろう。

まとめ

 で、結局スーパースターってなんて略すんですか?