オタクは世界を救えない

『ラブライブ!スーパースター!!』8話感想、結局また廃校問題じゃねーか!!!!!!!!!

 序盤からかなり評価を得て順風満帆のように思えたラブライブ!スーパースター!!が生徒会長・葉月恋の加入パートになってからかなりの勢いで失速してる感があったので、その話をしたい。

また廃校問題かよ!?

 まずここ数話で多くの視聴者が思ったことはこれだと思う。
 俺自身も、サンシャインの頃から廃校問題設定には辟易していたし、他の部分でもしつこく初代を焼き増しするかのようなストーリーには嫌気が差していた。そこでスパスタはそういった安易な焼き増しを行わず、ラブライブの雰囲気を残しつつ新しい設定や展開を程よく織り交ぜている辺りが偉いなー!面白いなー!と思っていたところ。

 で、結局廃校なんですか!?!??!?

 いやこれね、話の流れがちゃんと作られてたら満を持しての隠れ設定で歴代のヤツが出てきてうおーって盛り上がれるところかもしれない。ただどっちかというと、そこに持ってくまでの流れがわりと無理くりだったので普通に呆れた。後半まで引っ張ってきてラスボス扱いだった葉月さんが抱えている問題が、今までも散々繰り返されてきた廃校問題?その問題、もう八年前に解決してますよ

葉月恋が音楽科偏重になることの正当性はどこにあるか

 中身についても触れたい。そもそも文化祭を音楽科メインにするという言動を始めとした葉月さんの暴走に正当性はあるのかという点。

 彼女がそうするのは学校を存続させるという理由のためだけど、まず音楽科を推せば生徒数が増えるという思考が謎。一度潰れる前の前身が音楽学校だったとはいえ、現在の結ヶ丘において普通科が足を引っ張っているだとか、音楽科が大きなPRポイントになっているだとかそういう設定も特にない。むしろ音楽科の実績がない状態で普通科をふるいにかけたら生徒数が減るだけなのでは?

 その辺の話をすると、大元として結ヶ丘が音楽科と普通科に分かれてる理由もよくわからない。音楽学校をもう一度作りたいなら普通科を作る必要ないし、生徒数とか考えてるなら葉月さんの暴走が意味不明なものになる。二つの科で溝とか対立とかがあるみたいな話もあったけど、一年生しかいない新設校でそんな対立が起こるとは考えにくいし、そういう方針は学校作る段階で決まってるものなんじゃないですかね。

 というか待って欲しい。
 学校が新設された瞬間に資金難に陥っているってあり得なくないか?

 もしかして葉月ママのポケットマネーで運営する予定だったんか? 銀行とか他の出資者はおらんかったのか? よくそんな怪しげな高校に生徒が集まったな?

 理事長(?)や葉月パパもよく平然としていられたなと思う。学校一個作ってすぐに廃校とか借金で誰か死ぬだろう。結ヶ丘、もはや廃校問題をやるためだけに建てられた学校としか思えない。

 というわけで結ヶ丘自体が変という話。

葉月がスクールアイドル嫌いになる理由に正当性はあるか

母は昔にスクールアイドルをやっていた

けどその写真が残ってない

きっと嫌な思い出があったに違いない!

 ……まあここまではまだなんとか納得できなくはない。視聴者的には絶対裏があるだけだろうと思うのでカタルシスもクソもないゴミ伏線なのだけど、百歩譲ってまだ葉月さんの思考としてはおかしくないとも思える。

 ただ、

何度も探しましたが、そこだけ記録がないのです!

スクールアイドル部の部室にアルバムが残ってました!

 さすがにこれはない。そこぐらいは探してほしかった。それにかのんがアルバムを見つけるきっかけとなった「同じ場所で、想いが繋がっていてほしい」というフレーズ自体も、葉月からそれを聞かされる流れも、取って付けたようで白々しい。

 あと、葉月ママの友達である理事長による「何も言わないで欲しい、ただあの子が自分で決めるのを見守っていてほしい……まったく、迷惑ったらありゃしない」も大概頭イカれてると思う。いや、学生時代の思い出ぐらい普通に子供に伝えるでしょ。
 そんな謎めいた教育方針を持つ母親もヤバいし、友人の娘が無駄な勘違いで学校中の反感を買ってるのに放置してる理事長もかなり人間性を損なってると思う。世界中のすべてが葉月さんの勘違いを助長させるために動かされてるアニメ、それがラブライブ!スーパースター!!であるというのがこの辺りでよくわかる。

 そしてこれらの無理やりな展開が、スクールアイドルに反対する生徒会長が、感動的な展開の後に加入する、というラブライブの伝統(笑)を守るためだけに作られているというのが今作の一番の欠点。どうしてストーリーを歪ませてまでサンシャインで不評だった焼き増しを繰り返してしまうのか?それで面白いと本当に思ってるのか?

舞台装置となった一般生徒たち

 葉月の演説を皮切りに対立構造を深める生徒たち。かのんの演説に感激し拍手する生徒たち。暴走した生徒会長に文句一つ言わず学園祭の準備をする生徒たち。

 なんか怖くない? まあ別にこのアニメに限ったことじゃないけどさ、ストーリーの流れを反映するだけの背景と化したモブってマジで気味悪いんだよな。
 葉月の経緯も知らないのに、いきなり現れたかのんの日記朗読を聞かされてその上生徒会長が唐突に涙を流しながら母の名前を呟き始めたら、普通の生徒は「???」になるしかないだろうと思う。雰囲気読んで拍手し始めるのとか物分かり良すぎでしょう。

まとめ

 花田十輝、頑張れ。