オタクは世界を救えない

『君たちはどう生きるか』感想、どうもこうも意味わからん

君たちはどう生きるか サウンドトラック

 なんも生産性はないけどとりあえず意味わからんかったってことだけ伝えたいので書きます。

概要

 どこから手を付けようかわからないので、ストーリーを振り返りながら触れていきたい。

 まず最序盤。母親が火事で死ぬ。主人公が走るシーンとか、なんか絵がすごいことになってたのでおおーとなる。
 それで、母親によく似た女性が出てきて新しいママになるのよとか子供が生まれるのよとか言われる。主人公は基本的に無口を貫いているので、思考は雰囲気で感じ取るしかない。ただ死んだ母親への執着とか新しい母親に感じる複雑さとかはむしろよくある話なので、描写から読み取るというよりそういうものなんだと思ってしまう節がある。それがいいのか悪いのかは別として。

 序盤はアオサギが活躍するのだけど、主人公がこいつにやたら興味津々なのがまずよくわからない。母親どうこうって話になってからはいいんだけど、もう引っ越してきた初日に自分からアオサギ探検隊みたいに追っかけまわしてるのはなんなんだ。暇なんか?

 デカい石を頭にぶつけて流血する主人公。思った以上に血が出てて草。これもやっぱり主人公が語ろうとしないので、動機は推察することしかできない。大怪我に見せかけていじめっ子に罪をなすりつけようとしたのか、怪我したことにして学校を休みたかったのか、ただ単に自傷行為をしたくなる年頃だったのか。

 そしてやたらと攻撃的にアオサギを仕留めようとする主人公。この辺の攻撃性はキャラが見えてきて面白い気がした。ただ、鳥が喋ったってだけでびっくりもんなのに、一瞬で受け止めて殺すべきエネミーとして認識してる主人公の精神はなんなの。もうちょっと人間性を見せてくれるか、そうなる流れがわからないと、なんていうかよくある脚本に動かされてる感を感じざるを得ないというか。

 で、なんやかんやでアオサギの罠にかかってるんだかで森の中に入っていく。この辺りでアオサギの中からおっさんが出てくるんだけど、なんでこいつをパッケージにしたんだ?の感情がここから常に心の片隅を占領するようになる。なんでこいつをパッケージにしたんだ?

 さっきまでバリバリの悪役で不気味なオーラを纏っていたおっさんが、急にちょっと親しい感じで「後悔しても知らないっすよ?」みたいなフランクさを出してくる。最初はちょっと怖い感じだった奴が最後はマブダチになるわけだから熱い流れではあるんだけど、ストーリー的にはこいつの立場が意味不明すぎる。強キャラ感出してたのに味方になった途端弱いのとか少年漫画かよ。

 で、ファンタジーパート。だいたい意味不明。大学生御用達居酒屋みたいな名前した可愛いやつらが燃やされまくったり、鳥も一緒に燃やされまくったりする。お墓がどうのこうのとか、変な扉がどうのこうのとか、この辺のパートはいったいなんだったんだ。字にするまで忘れてたけどこの辺の尺ってマジでなんだったんだ。

 なんかよくわからんけどアオサギが仲間になる。結局アオサギはなんのために主人公をいじめてたんだ。おじさんに命令されたからか。その割に異世界に来てからのアオサギの立ち回りが意味不明すぎる。あのダークな感じはどこへいってしまったんだ。

 ヒミが可愛い。

 鳥がめっちゃ増えてるってことはわかった。

 ナツコさんがよくわからん寝床で寝ていて、助けようとしてあしらわれる主人公。なにが起こってるのかよくわからない。子供産ませるならもうちょっといいとこで産め。というかナツコさんの立場がわりとわからない。お前も被害者と違うんか。誰かちゃんと説明しろ。エヴァQを参考にするな。

 鳥に食われそうになりつつおじさんのところへ行く。なんで精神世界で飛んだあとに自分の足でもっかい行くねん。二回に分ける必要あったか?用事は一回で済ませてほしい。

 積み木とか言ったり石とか言ったりする。どっちかにしろ。

 お前の手で完璧な世界を作れと言うおじさんに対して、完璧な世界よりも不完全な世界が良いと言い放つ主人公。こんな意味不明な物語からよくそんなありきたりなテーマが出てきたな。もうちょっと捻れない?最近そういうのもう新しくないんだよおじいちゃん。

 話としてはこうですか。
 完璧な世界を作ろうとした出来た結果、わりとホラーなぐちゃぐちゃ世界が出来ちゃって、なんとか修正しようとしても無理だったと。それを自分の代じゃ無理だから、後継者を捕まえるために神隠し的な誘拐を繰り返して主人公を連れてきた。でも主人公は冒険の最中に得た経験から、完璧な世界じゃなくても元の世界で友達作ったり新しいお母さんとなんとか上手くやっていったりする方がいいぜ!つってハッピーエンドって感じですか。

 結局あれなんですよね。主人公がずっと黙ってるからテーマ性がわかんないのに、異世界がジブリ特有の描写によって意味不明に拍車をかけてきて、これどうなっちゃうんだろ~~からの意味不明、あるいは割と浅いテーマ性がわかっただけのしょっぱい終わり方で幕を閉じたので、なんか感想としてはよくわからんかったとしか言えないって感じでした。

 まあ宣伝とかはむしろしなくてよかったんじゃないですかね。ジブリってだけで夏休みのファミリーが見に行ってたらマジで評価悪くなってたと思う。意識高い系の考察好きオタクが多くいてくれる環境でこそ評価が良くなる作品ではないでしょうか。

 ちなみに個人的にはなんかやろうとしてる感はあったので、面白くはなかったけど退屈はしなかったという感じでした。考察バトルが好きな方は是非。