オタクは世界を救えない

『ゾンビランドサガR七話』感想、卒業RTA in SAGA

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 まあ一期が面白かったんだし二期も面白いだろ~っつって見たやつ。第七話ことマイマイ回の感想です。

新メンバーとかいらねーんだよ!

 という憤りが杞憂でよかったというのが正直なところ。まあさすがに唐突すぎたしネタ枠というか真面目に入れる枠じゃないだろうなという感じはしたけど、やっぱり慣れ親しんだメンツの中にわけわかんない奴が我が物顔で入ってくると嫌悪感が生まれるもの。マイマイに対するファーストインプレッションはそんな感じだったので、彼女が卒業を言い出した瞬間にむしろ嬉しくなってしまったのがこの七話だと玉に瑕といったところか。

 でも実際、新メンバーの加入→卒業を一話で終わらせる勢いの良さにゾンビランドサガらしさが出てるし、冒頭のマイマイが温泉でコケて死んだ(と思わせる)流れも無印でさくらが開幕死したのを踏襲している。その点この七話、ストーリー的に浮いた話のように見えて、実はけっこう重要な話になってるんじゃないかとも思う。

おっぱい

 余談ですが、おっぱいが大きいのはいいことだなあと思いました。

ゾンビじゃないとフランシュシュには入れないのか?

 ゾンビでもないポッと出のキャラが新メンバーに加入、かと思わせて即卒業。ゾンビじゃないからやっぱりフランシュシュの真の仲間にはなれないよね……という安易な話ではないよなもちろん。

 (視聴者感情はともかく、)マイマイは一度はメンバーに受け入れられた人間。本人が卒業すると言い出さなければ一応は新メンバーとして加入できた未来もあるということ。このことから、フランシュシュにはゾンビじゃなくても入れるのではといういい加減さを鑑みることができる。

 ここでマイマイの台詞を見てみたい。

きっと皆さんはそれぞれの時代で必死になって短い人生を生き抜いたんです。皆さんの輝きは死んでしまっても尚立ち上がって、今度こそ人生を生き抜いてやろうっていう、そういう強さなんです。

 フランシュシュのメンバーは、ゾンビになってから頑張り始めたわけじゃない。前提として、そもそも生前にその時代を精一杯生き抜いたという歴史がある。
 マイマイはどうだろうか。彼女の人生を生き抜いただろうか。アイドルの追っかけをして、転がり込んできたチャンスを掴んでフランシュシュに入る。それが彼女にとっての時代を生き抜くことになるのだろうか。
 ……ということを考えて、マイマイは自分で“まだ”フランシュシュには相応しくはないなと思ったわけですよね。それぞれの時代を生き抜いてきた伝説のアイドルと肩を並べるには、まず自分が令和の時代を精一杯生き抜いてからでないといけない。生きてるとか死んでるとか関係なく必死になれることが彼女たちの生き様なのだから。
 ただ成り行きに身を任せてフランシュシュに入ることよりも、卒業して自分の生き様を見せることでよりフランシュシュに近しい存在になれるんですね、彼女は。

マイマイとさくらって似てね?

 実を言うと声がさくらと同じ人だと最初思ってた。声優とか詳しくないから花澤さんとかわからなかったっすわー。

 というわけで、冒頭の事故死シーンからしてさくらとかなり似通った部分のあるマイマイ。大した取り柄がないことや、この現世に生まれたこと。さくらとの対話シーンがあることからも、その辺を意識してしまうし、さくらが事故死しなかったルートがこのマイマイなんじゃないかなあと思うこともなくはない。

 思えば一期。伝説を持ってる他のメンバーに対して、さくらは一人だけ「私には何もない!」状態で鬱病にだったのが懐かしい。元々さくらもフランシュシュに相応しいか微妙な生前ではあったわけなんですよね。
 でもそれが、マイマイの登場によってフォローされた感がある。さくらも精一杯あの時代を生き抜いて、生きてたらそれはそれで伝説を残していたかもしれない。ゾンビになれたから運良くアイドルになれたわけじゃない。あそこで死んでゾンビになっていなくても、さくらは令和を一生懸命生き抜いてたんだよー、という意味合いがあると収まりが良い、と思う。

 ゾンビだから何度でも蘇ってるわけじゃなくて、何度でも蘇る気合の入った人間だからゾンビのように生き抜いてるんですね、彼女らは。良い話だと思います。

まとめ

 ただの動く屍ことオタクの皆さん、令和の時代、生きてますか?