オタクは世界を救えない

童貞が初ソープに行って童貞を捨てれなかった話をする

 当方童貞。年齢は二十代後半。彼女がいたこともなければ風俗も経験したことのない一般的なオタクとして今まで過ごしてきた。そんな俺が人生初のソープに行ってきた体験談を語ってみたいと思う。

 ちなみに結論としては、射精できなかったしそもそも挿入まで辿り着けませんでした。

経緯

 よくある「会社の同僚に連れられて」というやつ。

 自分は生粋のオタクなので、元々童貞どうこうを気にしているわけではなかった。逆にプライドを持っているタイプの童貞でもなかったので、風俗自体への抵抗感もなし。職場でそういうノリになったこと、人生経験として一度は試してみてもいいかな、という思いで初ソープに出向くことを決意。

お店選び、嬢選び

 ピンサロとかの段階を踏むのは面倒だったので、とりあえずソープに行こうとだけ決めて出発。地元のそういうお店が集まってる場所にやってきて、経験豊富な同僚から料金の見方や相場をレクチャーしてもらいました。予約とかもしなかったので、めぼしい店に入ってパネルを見て「うーん、ちょっと考えます」と言って外に出てから相談したり。

 ぶっちゃけパネルを見ても「この子がいい!」となることはなく、見物がてらにいくつかを回っているうちにそこそこの時間が経過。結局入ったのは最初に見たお店でした。

 ちなみにお店は結構お高めのとこで、若い子が多くコスプレとかもやってるとこ。パネルを見て指名した嬢はツインテールでロリっぽい雰囲気の人。今思うとオタク向けなお店と嬢だったので、流されるままに選んだにしては自分好みで良かったなという感じ。ただ懐は痛かったので、初じゃなかったら料金面でもう少し悩んでたと思う。

入店~待ち時間

 パネルを見て嬢を指名するの、AVのパッケージを見て吟味するやつのレベル高い版みたいなあれで結構興奮する。けどぶっちゃけ写真見てもよくわからん。顔が隠れてたりどうせ加工してんだろとか思うとキリがないし、妥協の基準というかそういうのがよくわからん。

 で、料金を払って爪の長さを確認されたりして待合室(?)に案内される。ここでプレイの好みとかを書く紙を渡される。他のとこではないらしいのでそのお店のコンセプト的なやつなんだろうけど、これが結構面白いなと思った。ただこれもやっぱりやったことがないから好みとかわからん。とりあえず無難に書いて出した。あとコスプレ欄に「スク水」があって三分ぐらい悩んだけど、さすがに初体験で試すのはリスキーだと思ってやめておいた。

 ちなみに入店前から既に緊張してて、待ってる間はずっとそわそわしてた。

本番

 というわけでついに自分の番がやってくる。お兄さんに案内されてお店の奥に通され、嬢と対面。

 正直緊張してて素の陰キャが出てしまい、嬢の顔とかを見る余裕があまりなかった。出会い頭に「はい」と手を広げられて、なんだこいつ?と思ってからしばらくして、ハグするやつなんだと気付いてあわわってなりながら抱き着いたりした。手繋いで部屋まで行くのも勝手がわからなかったので、「こういうお店初めてなんすよ」と説明。リードしてくれることを祈って嬢についていく。

 部屋に入ってからは常に指示待ち人間。幸い嬢がいい人だったので(そういうものなのかもしれないが)、服脱いでシャワー浴びて歯磨いて~というくだりを説明しながらやってもらう。その内余裕も出てきて、これがソープかぁ~とか感心しながらきょろきょろする上京したての田舎者みたいになってた。

 この辺りで相手の容姿をちゃんと確認できるようになってくる。顔はパネルで見たのとはちょっと違ってて腹に多少の肉がついてたりはしたけど、基準がわからないなりにまあアタリなんじゃないのと思えるぐらいではあった。あと身長が低くてロリっぽかったので自分の好みにも合ってた。たぶんAVだったらサンプル動画見とくかってレベル。パイパンだったのも俺好みだったけど、剃り跡とかが気になっちゃったので人生って難しいなと思った。

 身体洗われてる最中はずっとおっぱいを見てた。プロフィールだと確かCカップとか書いてあったと思うんだけど、巨乳モノのAVとか見過ぎてて大きさ的には物足りなかった。そのせいなのかどうかはわからないけど、実物のおっぱいを見ても感動とかがなくて、こんなもんかという感想しか抱けない自分にがっかりした。それから二次元の影響で乳首はピンク色だと認識している節があり、当然ピンク色ではない実際の乳首を見てもやはりこんなもんかという感じだった。嬢にがっかりしたというより、自分の性的思考が偏っていることを再確認したという意味合いが強かった。

 また嬢と話している間に相手もオタク趣味でゲームをやるという話を聞いたりもしてその辺の話題が続いたりもしたんだけど、「ヤるための場所で趣味の話しても時間の無駄じゃね?」という思考であんまり弾みはしなかったというか弾ませる努力をしなかった。後になってどうせ射精できないぐらいなら女の子との会話を楽しんでおけばよかったじゃないかと思う反面、そもそも俺は女の子との会話を楽しみたいのか?という疑問が湧いてこれに関しては何が正解なのかわからない。ただ、せっかくなんだから下手に斜に構えずワイワイした方が楽しかったんじゃないかという反省はなくもない。

 で、シャワー室から出てキスとかしたりする。ここいらで例のアンケートみたいなのを適当に書いたのを悔やみ始める。俺はキスに関してディープキスがいいと書いたんだけど、それを聞かれて「いや、よくわからないんで適当に書いたんすよ」とか言ったら、ディープキス自体が嫌なんだと思われたのかそこでキスパートが終わってしまった。せっかくだからもっとベロチューをしてみたかったという気持ちは強い。後から言いだそうにもすぐにフェラが始まってしまったのでどうしようもなかった。

 手と口でされると、ようやくそれっぽいのが始まったなと思い始める。口でされるのは刺激的には大したことなかったけど、口のどの部分が当たってるんだかわからない不思議な感触で感心した覚えがある。

 最初は寝転がってたんだけど、その内暇になって「おっぱい揉んでいいっすか?」と聞いてもみもみしながらフェラしてもらう(今後何かをするたびに「○○していいっすか?」といちいち了承を取るオタクになる)。ただおっぱいに関しては揉んでみてもそこまで感動がなく、やはりこんなもんかという感想が強かった。あとぶっちゃけデブの脂肪と変わらないなという感じはした。よく太った友達に「お前Cカップぐらいあるだろ~w」みたいなのやってたけどそれぐらいの感触だった。なんなら俺でもBカップぐらいはあると思う。

 というわけでフェラしてもらいながら胸を揉んだり頭を撫でたりしながら「これがフェラかぁ~」と感心しつつ、いつになったら本番が始まるんだろう……?と疑問を抱く。そろそろ飽きてきたけど自分で言い出すのもなぁとしばらくして、ようやく俺もその原因に気付いた。

 「俺、そもそも勃起してなくね?」

 当方半勃起チンコ。つまり嬢が熱心にフェラを続けていたのは、そもそもの話として俺のチンコが次に進める状態になかったからというわけ。ここから俺のチンコをいかに奮い立たせるかの勝負が始まる。

 「全然立たないっすね」と事実確認し、フェラをやめて別の手段を試してみたりする。俺は自分がされることよりも女性の身体に興味があったので、おっぱいを舐めたり手マンしたりした(おっぱい揉んでもいいっすか? 指入れてもいいっすか? 指二本入れてもいいっすか?等)。

 あとシックスナインもした。身長差があると辛いというのは本当なんだと実感した。まず口が届かないし、届いても姿勢がキツいので頑張らないといけない。それと途中からマンコから俺の唾液の匂いがし始めていっそ萎えた。身長140センチ級のロリヒロインと69してるエロゲーとかあるけど、相当ヒロインに無理な姿勢をとってもらう必要があるなと感じた。

 余談として、手マンやらなんやらしてる間に嬢のマンコが濡れてきてて本当に女って濡れるんだ! と内心で激しく感動した。

 でまあ色々試したけどやっぱり勃起させるのは無理だった。結局は性的興奮よりも刺激だなということで口で頑張ってもらい、半勃起の状態で無理やりゴムをかぶせようとしたけどその瞬間にシュン……となってしまうのでどうしようもなかった。嬢が何度も「初めてで緊張しちゃう人は多いから」と慰めてくれたのを覚えている。個人的には別にそこまで期待してたわけじゃないからショックを受けてたわけではないんだけど、やはり金銭的な勿体なさとせっかくだから挿入行為も体験しておきたかったので、悔いは残る。

 時間も残り少なくなってたので雑談タイムに入るけど、何を話したかはあんまり覚えてない。終わり際に思い出してお尻を触らせてもらったのは覚えてる(お尻触らせてもらってもいいっすか?)。そこそこ柔らかかったのと、尻穴が案外綺麗だったのと、嬢がふざけて尻を前後させながら「えいえい♡」とか言ってきたので、そのときちょっとだけこの姿勢で挿入できてればよかったなと明確に後悔した。

 あとはもう普通にシャワーを浴びて着替えて終わった。アンケート用紙みたいなのを書かされたので嬢の評価は全部最高にしておいた。

敗因

 そもそも勃起できないことが敗因なのか? むしろ二次元以外に貞操を捧げなかったことはオタクとしての勝利じゃないのか? という精神的な争点は置いといて、己のふにゃふにゃのせいで高い金を払って射精できなかったというフィジカル的な敗北の理由について分析しておこうと思う。

 まず第一に、前日のオナニー回数が問題だったと思う。当日は月曜日だったため、前日の日曜日に確か俺は四回か五回はシコってた。単純に精力不足だった感は否めない。それに前日夜更かししていたため、ちょっと眠かったのもある。さすがに緊張で目は冴えていたけど、そういう面で体力的に万全ではなかったのは確か。

 それから日頃のオナニーもあれだったかもしれない。よくオナニーばっかしてると握力の問題でマンコ程度の刺激じゃイけなくなるとかいうし。俺も嬢の手や口ぐらいだと刺激弱いなーとは思ってた。暇潰しで半勃起でもシコってたりしたのはあまりよくなかったかもしれない。

 また最後に、これはお店と嬢選びの話だけど、もっとおっぱいが大きい方がよかった。AVでも巨乳の方が好きだし。まあこれは実際に触ってみないとどうしようもないし、実際体験したらやっぱこんなもんかとなりかねないけど、とりあえずそういう性癖的な部分は大事にしていった方がいいのだと思う。俺みたいな注文の多いオタクは特に。またそういう意味ではスク水を選択してみるのも実はアリだったのかもしれない。

 総括すると、もし次に行く機会があれば、精液はちゃんと貯めていってコンディションを整えできるだけおっぱいの大きい子を指名しようと思う。※オナニーの方法に関してはどうしようもないので諦めるとする。

所感

 一生童貞でもいいと思ってたぐらいなので、自分がよわよわちんぽだったことについてはそこまで気になってないのが正直なところ。射精をできなかったこと自体は素直にもったいないしどうせなら挿入も経験しときたかったけど、なんだかんだで有意義な体験になったんじゃないかと思います。

 大きい意味合いとしては、「一回体験したら考えが変わるよ!」とか「童貞でいいとかオタクが強がってるだけだろ?」みたいな煽り、或いは己への自問に対して明確な答えが出たこと。

 僕は三次元じゃ勃ちませんと大声で言えるようになったことは、大きな強みだと思います。

 また次回については、今のところ行く予定はなし。職場の人にもリベンジを誘われてるけど、単純にお金もかかるしあんまり気は進まない。タダだったら行ってもいいけどね。

 そういうわけなので、もしこれを読んでる童貞オタクがいたら参考にしてほしい。ベロチューがしたいときははっきり「してほしい」と言いましょう。